人生は一本の線。自分を生きるということは・・・

104歳の女性美術家、篠田桃江さんの展覧会に行ってきました。

2年ほど前に、彼女が書いたエッセイを読んで以来、
ずっと彼女の絵を見たいと思っていました。

そして、念願かなって、その絵を見て
大正、昭和、平成、三つの時代を生きてきた人が描く絵の
新しさに衝撃を受けました。

私は、アメリカ人の画家、ジョージア・オキーフの絵が好きなんですが
国も時代も異なるけれど、時代や国を超えて訴えかける
静謐で洗練された美・・・という点で、
何か共通するものがあるように感じました。

二人とも女性です。

篠田桃江さんのエッセイは一躍ベストセラーになりました。

100歳を超えて、毅然として生きる姿。
美、自分自身の創造力を追及して自分自身の生き方を貫く生き方に
共感する人が多いのだと思います。

ひと言でいうと・・・ブレていない。

人の評価でなく、自分自身が求めるものを追及し続けている人です。

「人生は一本の線」。

展覧会のキャッチコピーになっている、この言葉がそれを表しています。

複雑な時代だからこそ、自分の心の叫び
欲求に忠実に生きる人の生き様が多くの人を魅了します。

ただ、不思議だったのは、世界的に評価されてきた人の作品やその人となりが
なぜ、100歳を超えた今、脚光を浴びるのか?・・・ということ。

なぜ、日本の美術界やメディアは
もっと早くに、この素晴らしい作家に光を当てなかったのでしょう?

女性だから?

書の世界に背を向けたから?

主張が強過ぎるから?

私はもっと早くに、彼女の絵を見たかった・・・そう思いました。

研ぎ澄まされた線。
重なる色の配色。
白ばの妙。
間の取り方。
想像力をかき立てられる文字たち。

展覧会場で、思わず絵のお値段を聞いたのですが
とても私の元に置けるお値段ではありませんでした。

でも、お値段を聞いたことがきっかけで
展覧会を主催されたギャラリーの方にいろいろお話を伺えたことはよかった・・・

絵だけでなく、その人となりを感じることができました。
本を読んで感じた強さ、ひたむきな生き方を再確認できた感じ。

そして、いつも思うのですが・・

新しさを受け入れてくれるのは日本という社会ではなく
欧米やヨーロッパという外国だということ。

書の世界では自分の表現したいことができないと思った彼女が
自分の絵を描くために選んだのはアメリカ。

抽象画ブームに沸きってたアメリカで
彼女の絵はコンテンポラリーアートとして受け入れられ脚光を浴びます。

そこから先は才能が才能を呼び、美意識のある国々へと広がっていくのです。

もちろん、日本でも建築家が評価し、一部に広がってはいくのですが
一般の人々の間に広がったのかどうかは定かではありません。

美に対する意識は
日本は遅れていますから・・

展覧会の会場で流れていたビデオで彼女は
国を超えて受け入れられたことに対する思いを語っていました。

国籍も人種も超えて、受け入れられていく美、才能ってすごいですね。

でも、その陰にはひたむきに努力する
美しい線を求めて、何度も何度も紙に筆を走らせる姿があります。

キャリアを重ねた今も
自分が納得する線が描けるまで描き続けるそうです。
「これだ」という線が描けたとき、それは無我の境地なのだそう。

私も含め凡人は、努力しながらも、限界を感じたら諦めてしまったり
失敗をしたら怖くなったりします。

でも、篠田さんほどの大家、キャリアを重ねた人が
無我の境地に至るまで描き続けるということに

自分はまだまだだなぁ・・・と感じた次第です。

本当に美しい絵です。
強い線です。

心洗われる絵をぜひ、見てみてください。

大阪梅田の阪急百貨店で・・・明日10月10日まで開催。
「篠田桃江展 人生は一本の線」

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