発達障害のコミュニケーション能力磨きのポイント

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その方と初めてお会いしたのは一年以上前です。
(ご本人の承諾を得てご紹介します)

男性ですが、ある専門職に就くために応募をしているがうまくいかない・・
「自分の気持ちを上司に伝えられなかった」というご本人の分析で
以前の職場を使用期間中に解雇されておられました。

年齢は30歳。カウンセリング中に31歳になられました。

正直なところ・・・
初回のインテーク式の会話がなかなかかみ合わず、困りました。

ポツポツと単語が飛び出すのですが
助詞や接続詞でつなぎ、文末をくくって文章として表現することが難しいようでした。

この方の頭の中では、映像は表示されるけれど
気持ちとして表現するための文章構成が難しいのだ・・・と認識しました。

面談はほぼ休むことなく続けられました。

声の抑揚が強すぎて、叫び声に聞こえたかと思うと囁きになるなど
単語を文章化すること以外にもコミュニケーション上の課題を抱えておられました。

私が取り組んだのは・・
言葉をつないで表現する以前の問題。
どんな思いを持っておられるのか、
どんな生活をされてきたのか、
今現在どんな生活をされているのか、
これまでの対人コミュニケーションはどうだったのか

こうした彼の背景を知ることでした。

少しずつ対話を重ねていくなかで・・・わかったことは・・
圧倒的に対話経験が少ないこと、
つまり家族でも対話がほとんどないのです。

対話+感情の交換のない養育経験。
子供が親、特に母親から学ぶ情動調律ができていない。

感情に安定感がない、他者の感情を感じ取れないから
自分本位な内容(会話)を単語ベースでぶつけるだけ。

受け手に想像力や思いやりがなければ
とても理解することができません。

そんな状況の中で
丁寧な対話を繰り返していきました。
言葉だけでなく、彼の考え方、感情、経験に対して
心の対話をしていったのです。

彼という人にとても興味を持って。

少しずつ、彼の中で自分の問題点を理解できるようになり
「コミュニケーションとは何か」がわかるようになりました。

言い直しや言い換え、説明補足など
様々な要望を出してトレーニングを続けた結果
言葉のキャッチボールができるところまでたどり着きました。

彼も目覚ましい進歩を感じられました。

そんな彼に両親が手帳をとることを勧め
発達障害の診断を受けることに・・・

ご両親にとっては、今後のことを考えて
なんらかの支援をことで安心されたかったようです。

母親に対する養育期の確認の中で
言葉の発達が遅いという診断を2歳の時に受けていたことがわかりました。

が、その後追いつき、普通の小中高を出て大学を卒業されています。

コミュニケーションの問題に気づいたのは
就職につまづいてからでした。

私との関りは一年半ですが
もっと早くにお会いしていれば、コミュニケーション能力を引き上げて
もっと早い段階で就活に役立てられた・・

というよりも日常生活を楽しむことができる
心の自信もつけられたのにと感じました。

ご両親の思い、診断、彼自身の思いが
どうクロッシングしていくのか・・わかりません。

ただ、ここでお伝えしたいのは
できるだけ早い段階で、コミュニケーションの問題に気づき
手当てをしていくことでかなり改善するということ。

その感覚を掴みました。

もちろん、幼児期から真剣に取り組むことで発達の問題も
大きな改善をみせるのではないかと思います。

もしも、お子さんの言葉遣いやコミュニケーションに疑問を持っておられたら・・
診断を受ける以前に、「対話」「感情の交換」ということで
家族で取り組んでいけることはたくさんあるはずです。

これは発達の問題がない子どもの場合も同じこと。

「対話」「コミュニケーション」とは何か
両親の間で、家族でよく考えてみることをおすすめします。

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